「笑顔で前を向いていけるように」池田 知恵さん(長野圏域障害者就業・生活支援センター ウィズ/中御所)
今回は、障害者の方々の就業面や生活面のサポートをしている、就業支援ワーカーの池田知恵さんのところへ訪問しました。
働くとは、その人なりの生活を送ること、ともに社会を生きるということを理念に、就職に向けてのアドバイス、そして大切な「働き続ける」ために、日々お悩みを抱えた方の相談に対応されている池田さんのお仕事についてご紹介します。
![メイン](/interview/2016022600010/file_contents/main.jpg)
「就業支援ワーカー」とは
- Q.池田さんのお仕事について教えてください。
- 障がい者の就労支援が主な業務です。この仕事を始めて、7年目になります。
- Q.就業支援ワーカーとは、どのようなことをしていますか。
- わたしの仕事は、障がいがある方の「働きたい」「働き続けたい」という思いをサポートしていくことです。就職に向けての準備や就職後も安心して働き続けられるように、相談者の話を聞いたり会社訪問をしています。
また、障がい者雇用を検討中、現在雇用をしている企業側からの相談も受けています。 - Q.センターには、他にどのような役割の方がいますか?
- 当センターには、就業支援ワーカーのほかに、生活支援ワーカー、定着支援ワーカーがいます。職員同士が連携をしながら1つのチームとして、相談者の思いに寄り添って、一人ひとりに合った支援を日々心掛けています。
- Q.個性や性格もひとそれぞれですよね。
- はい。まさに、十人十色ですね。障がいの有無に関係なく、一人ひとり性格も好みも周囲の環境も違います。障がい名にとらわれず、その人を見ることを大切にしています。
- Q.色々な相談に対応するためには経験も必要そうですね。
- わたしは、当センターで働く前は、法人内の「ウィズ就労支援センター」というところで、就労移行支援に携わっていました。就労移行とは、障がいのある方が一般企業での就職を目指して準備訓練をする場所のことです。利用期間は最長2年間です。ここでは、主に老人ホームでの清掃作業を通じて、社会で必要とされる対人マナーや働き続ける心身の体力作り、さらに就職に向けて職場実習を行います。
ここでの経験は、私自身にとって改めて社会勉強になりました。 - Q.みなさんの働く姿を身近に感じてやりがいがありそうですね。
- 面談や準備訓練を重ねた相談者が、会社で働くようになった時、少しずつ顔つきが変わっていくのが分かります。悩みやストレスを乗り越えながら、社会の一員として仕事のやりがいや働く喜びを感じている姿を見て、私もとてもうれしく思いました。
はたらくことで自分の成長につながる
![面談の様子(イメージ)](/interview/2016022600010/file_contents/sub1.jpg)
![職場の様子](/interview/2016022600010/file_contents/sub2.jpg)
- Q.今の仕事のどんなところが好きですか。
- 相談に来る方の「働きたい」「働き続けたい」という自己実現に向けて、頑張っている活動の一部に携われているところがこの仕事の良いところです。皆さんの姿をみて、自分も頑張ろう!という気持ちになりますね。
また、地域の企業の方と話す機会があることも楽しみの1つです。障がい者雇用を推進する傍らで、様々な企業の方と関わることはとても良い刺激となっていますね。 - Q.池田さんにとって「はたらく」とは・・・。
- 壮大な質問ですね。改めて考えてみると、仕事を通じて得た経験や人との出会いは、良いことも辛いことも含めて貴重な体験だと思います。はたらくことを通じて、自分の可能性も広がります。これからの人生で、どんな「はたらく」が待ち受けているか考えると、不安もありますが楽しみですね。
- Q.ちなみに仕事が大変な時などのリフレッシュ方法を教えてください。
- 私は、気分がモヤモヤした時には、部屋の掃除や片づけ、模様替えをして気分転換をしています。悩んでいることがスッキリするような気分になりますね。また、旅行に行くのも好きです。知らない土地は、非日常を感じてワクワクします。
- Q.海外にも旅行されたりするんですか。
- 長野オリンピックでホームステイの受け入れをしたことをきっかけに、海外に興味を持ち始めました。リュック1つで旅をするバックパッカーに憧れて、当時の仕事を辞めて、タイに一人旅に行った事もあります。知り合いもいない、英語も出来ない、冒険のような旅路がワクワクしましたね。また、海外で生活をしてみたくなり、アメリカで2年間暮らしていたことがあります。ホームステイをしながら、ベビーシッターをしていました。
- Q.海外生活の経験は役立っていますか。
- もちろんです。人生経験において、役立たないことは何1つないと思っています。海外の生活では、言葉の通じない環境で暮らすことの不便さを経験しました。今の仕事をする上で、言葉による意思疎通が苦手な方もいますが、安心して分かり合えるような関わりを大切にしています。
- Q.今の仕事に就く前は、どんなことをされていましたか。
- 海外生活の合間に、イベント会社でアルバイトをしていました。想像以上に幅広い分野でした。人前に出ることが苦手な私ですが、時にはキャラクターショーに出たこともあります。これも又、貴重な体験になりました。
- Q.いま何か取り組まれていることはありますか。
- 今年から手話を習い始めました。まだ挨拶や簡単な会話程度ですが・・・。 外国の方と話すために英語が広まりつつあるように、耳の聞こえない方と話すために手話が広まる世の中になればいいなぁと感じています。
笑う門には福来る
![職場の様子2](/interview/2016022600010/file_contents/sub3.jpg)
- Q.長野で働いてどうですか。
- 長野はなんといっても自然豊かなところが好きですね。春夏秋冬の自然を肌で感じながら生活ができ、気持ちもリラックスできる良い環境だと思っています。生まれ育った地元長野で仕事をすることにもやりがいを感じています。
- Q.大学など進学のため県外へ出られる学生さんも多いと思いますが・・。
- 多くのことを学び視野を広げて、日本や世界の舞台で活躍してほしい気持ちと、地元に戻って長野を盛り上げてほしい気持ちがあります。中からも外からも、若者のパワーで未来の長野をもっともっと元気にしてほしいですね。わたしも、頑張ります!
- Q.わたしたちも長野に元気を与える一員として頑張っていきたいですね。
- そうですね。「長野が好き」と感じる人が一人でも多くなるように、私たち一人ひとりが地域と向き合い、子どもから大人まで、すべての人にとって住み心地の良い魅力ある長野を目指していきたいですね。
- Q.池田さんの仕事にも終わりはないですね。
- 世の中の情勢は日々変化していますが、未来は自分たちで作り上げていくものだと思います。皆さん苦しいとき、つらいときがあるけれど、泣きたい時には無理せず泣いて、自分の感情には素直でいてほしいです。そしてその後は、笑って前を向けるように共に歩んでいきたいですね。
- Q.最後に、これから働きはじめる方にメッセージをお願いします。
- 大人になり壁にぶつかった時、なんとなく人には相談しづらく、1人で悩みを抱えることがあると思います。自分で考える時間も大切ですが、そんな時は、同僚や先輩、周りの人に相談をしてみてほしいです。誰かと話すことで、すっきりしたり前向きになれたりすると思います。何気ない会話で元気になったり、時にはぶつかりあってお互い良い刺激になることもあります。共に働く仲間を大切にしてください。
就職に向けた相談や生活に係る相談を通して、障害者の方々の生活のサポートをしている池田さん。お話をお聞きしている間、常ににこやかな表情で応えていただき、日々、相談者さんと誠実に向き合っている姿を想像することができました。
笑顔で仕事をする楽しさを教えていただけたインタビューになりました。
次回はそんな池田さんのお友だちが登場!どうぞお楽しみに!
勤務先情報
![勤務先](/interview/2016022600010/file_contents/z_kinmu.jpg)
PR | 障がいのある方の「働きたい」「働き続けたい」を応援します。 |
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住所 | 長野市中御所3丁目2番1 カネカビル1階 |
電話 | 026-214-3737 |
FAX | 026-214-3971 |
ホームページ | http://www.with-nagano.com/ |
営業時間 | 午前9時~午後5時30分 |
定休日 | 土日、祝祭日、お盆、年末年始 |