「いろんなフランス料理があることを知ってほしい」土屋 克己さん(ブラッセリー ル コション/大門町)
「フランス料理」という言葉を聞くと、どんなことを思い浮かべるでしょうか。長い帽子をかぶったシェフがつくる高級料理を想像する方が多いかもしれません。
土屋さんのお店は、フランス料理はフランス料理でも、 かしこまったコース料理とは少し違います。そこに土屋さんのある思いがあります。
![メイン](/interview/2015122400032/file_contents/main.jpg)
食べることが好き
- Q.料理人になろうと思ったきっかけはありましたか。
- 子どもの時から食べることが好きでした。またテレビの料理番組や、食べ歩き企画の番組などを見ることも好きでした。そこから、「自分でも美味しい料理をつくりたい」と思うようになり、高校を卒業後、調理の専門学校に進学しました。
- Q.高校を卒業する時には、すでに目標をお持ちだったんですね。
- 目指したい料理人はまだ決まっていませんでしたが、卒業後は、山梨県のホテル内のフレンチレストランに就職しました。そのレストランをしばらくしてから辞めて、長野市内のイタリアンレストランとフレンチレストランで働きました。
- Q.長野市内のレストランでも働いていたんですね。
- はい。3年くらい長野市内のレストランで勤めていました。その後、東京に移り住み、東京都内のレストランで働きはじめました。東京では15年働いていましたが、そのうち1年間、フランスとベルギーに行きました。
- Q.フランスとベルギーはどのような理由で選ばれたのですか。
- 東京のレストランの先輩がベルギーに渡っていました。お店からも推薦をしていただき、その先輩を伝ってベルギーに行き、半年間過ごしました。その後、フランスに移動して半年間過ごしました。フランスでも色々な料理を食べたり、色々な料理をつくりました。本場のフランス料理を体感することができて、すごくいい経験になりました。
- Q.日本ではできない体験ですね。
- フランス人と言っても、いつもフルコースのようなフランス料理を食べているわけではないことは想像できると思います。日本でもいつも料亭で食事をしている人は少ないと思いますし、気軽に行ける居酒屋や大衆食堂に行く方が多いと思います。
フランスも日本の居酒屋のような気軽に行けて、お酒と食事を楽しめるお店が多いです。私はそんな家庭的なフランス料理やベルギー料理を出すお店が好きでした。 - Q.フランス料理人を目指す決め手のひとつだったわけですね。
- フランスとベルギーに渡る前から、わたしはフランス料理の前菜に魅力を感じ、興味を持っていました。そのため、フランスとベルギーに修行に行きましたし、両国で過ごした期間はかけがえのないものになりました。
土屋さんとブラッセリー ル コション
![店内の様子1](/interview/2015122400032/file_contents/sub1.jpg)
![店内の様子2](/interview/2015122400032/file_contents/sub2.jpg)
- Q.長野市でお店を開かれた経過を教えてください。
- 料理人になった時から自分のお店を持つことはやはり目標でした。これは料理人全てに言えることかもしれませんが、この目標に向かって経験を積みながら働いている方が多いと思います。
私は娘が小学校に入学する時期に合わせて、東京から長野に帰ってきて自分のお店を開きたいと思っていました。 - Q.どんなお店を開きたいと考えられていましたか。
- お客さんの顔が見える広さのお店にしたいと思っていました。理由としては、お客さんを近くに感じて、楽しく食事されている様子を見たかったからです。これに合う店舗を探していたときにこの場所にめぐりあい、お店を開きました。
- Q.お店の名前について聞かせてください。
- 「ブラッセリー」とは、日本料理店でいう「料亭」や「割烹」というようなお店の名前のひとつです。フランス料理店では、「レストラン」や「ビストロ」というお店があります。ブラッセリーはレストランと比べると、気軽に入れるお店です。日本の居酒屋に近いものだと考えてもらうといいと思います。
- Q.「ル コション」の意味はなんでしょうか。
- 豚(ブタ)という意味です。私はお肉を加工する料理が好きなので、この名前にしました。うちでは、ハムやソーセージも手作りしています。また、細かく刻んだお肉類を練り上げてつくった「パテ」や「テリーヌ」といった料理もワインに良く合うため、ビストロやブラッセリーではよく出される料理ですね。
- Q.フランス料理店と聞くと、レストランを想像してしまいます。
- そうだと思います。レストランは一番かしこまったお店と考えてもらえばと思います。お店にふさわしい服装が必要であったり、食事中もあまり大きい声では会話してはいけない等のようなルールがありますね。
レストランというと皆さんは、長くて白い帽子をかぶったシェフも思い浮かぶのではないでしょうか(笑) - Q.お店を長野市に開いてみていかがですか。
- 東京でも新鮮な野菜はもちろんありますが、産地から市場などに輸送されてくるものを購入していたので、どうしてもそこで時間はかかってしまっていたと思います。
その点、長野はやっぱり野菜やフルーツが新鮮でいいですね。道の駅などでも生産者さんの丹精込めた新鮮な野菜などがいっぱい売られていて、私もそこで料理の材料となる食材などを仕入れたりします。このことからも長野でお店を開いて良かったことですね。 - Q.どんなお料理を提供していただけますか。
- 先ほども少しお話した内容になってしまいますが、フランスやベルギーの郷土料理をつくってますね。「こんなフランス料理もあるんだ」と驚いて、食べてもらうとうれしいですね。
- Q.料理のアレンジは難しそうですね。
- 料理のアレンジに必要なのは、やはり経験だと思います。私は、山梨、長野、東京、ベルギー、フランスと色んなお店で働き、色んな先輩シェフの料理を見てきました。そうすることで自分の料理の引き出しを増やすことが出来たと思います。
勝ち負け意識も大事かも
![店内の様子](/interview/2015122400032/file_contents/sub3.jpg)
- Q.自分のお店を出せて、まずは目標達成ですね。
- お店を出せたことはとても嬉しいです。しかし仕事というのは、「現状維持」=「衰退」だと私は思っています。どんなに小さなことでも目標や意義を見出しながら仕事をしていくことで、成長をしていけるものだと確信しています。
- Q.ほかの仕事にも当てはまりますね。
- そうだと思います。仕事をしているのは人です。人と人との交わりでもあります。自分の担当の仕事はきちんとしたうえで、周囲にも気を配り、相手の気持ちを理解したり、思いやれたりすることで、先輩や上司から認められたり、仕事を任されたりもするかもしれません。
それを見てた同僚の中には、「アイツには負けないぞ」「おれはもっとできるぞ」などと、対抗意識を燃やす方もいるかもしれませんが、私はこのことがとても良いことだと思います。お互いがお互いを高めることが出来て、仕事は一層良いものになるでしょう。 - Q.あわせて仕事をする方に伝えたいことはありますか。
- 仕事を任されたからといって、天狗になったり、おごらないことも大切です。まわりにも流されすぎないことや、どんな些細な仕事や作業ひとつでも、必ず意味があることを意識しながら行ってもらいたいです。自分に必ず返ってくると思います。そんな気持ちでお仕事してもらえたらうれしいです。
今回は、フランス料理人の土屋さんにインタビューをさせていただきましたが、フランス料理のことだけでなく、仕事をするうえでの大切なことも教えていただけました。 物静かな土屋さんでしたが、仕事に対する熱い思いを聞くことが出来ました。 熱い気持ちを持って仕事をされている人は、やっぱりかっこいいですよね。
次回はそんな土屋さんのお友だちが登場!どうぞお楽しみに!
勤務先情報
![勤務先](/interview/2015122400032/file_contents/z_kinmu.jpg)
PR | お気軽にお越しいただけるフランス食堂です。 |
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住所 | 長野市大門町537 舞夢モールシティー1階 |
電話 | 026-232-2027 |
FAX | 026-232-2027 |
ホームページ | http://maimumallcity.maimujp.com/brasserielecochon.html |
営業時間 | ランチ 11:30~15:00 (ラストオーダー 14:00) ディナー 17:30~22:00 (ラストオーダー 21:00) |
定休日 | 月曜日 |